子どもを試さないことの大切さ
子どもに試してもらう行為について
幼児期に子どもが何か新しいことを覚えると、親として本当に嬉しいですよね。「うちの子、こんなこともできるんだ!」と誇らしい気持ちになり、つい家族や友人の前で披露してもらいたくなることはありませんか?
「〇〇ちゃん、この単語を英語で言えるかな?」
「この文字、読める?」
最初のうちは子どもも楽しんで応じてくれるかもしれません。しかし、同じようなことを繰り返し頼むと、子どもはどう感じるでしょうか。
子どもの気持ちに寄り添う大切さ
親が喜んでいる姿を見るのは、子どもにとっても励みになるでしょう。ですが、それが何度も続くと、やがて「また試されるのかな」という気持ちが芽生えることがあります。
親の側からすれば純粋な喜びや期待が根底にある行動でも、子どもにとっては負担となりかねません。繰り返されるリクエストにより、少しずつ心の中で抵抗感を抱くようになることもあるのです。
試されることが与える影響
何度も同じことを頼まれると、大人でも「もういいかな」と感じることがありますよね。それは子どもにとっても同じこと。楽しさよりも「疲れた」という気持ちが上回ると、新しいことへの意欲が薄れてしまうかもしれません。
最悪の場合、「またやらされるのかな」と学ぶこと自体にマイナスイメージを持つ原因にもなり得ます。無意識のうちに、学びの機会が失われてしまうこともあるのです。
我が家の育児における失敗談
私たちも過去に同じ過ちを犯してしまいました。娘が小学校1年生の時、英検3級を取得したことが嬉しくてたまりませんでした。それが誇らしく、親戚の前で「英検の面接の答えをみんなに話してみて」と頼んでしまったのです。
その結果、娘は恥ずかしさで何も話せなくなり、困惑した表情を見せました。その光景を目の当たりにし、私たちは深く反省しました。
この失敗を機に、「もう子どもを試すようなことは絶対にしない」と心に誓いました。
親として学んだこと
親の失敗を通じて学んだこと、それは「子どもを尊重する姿勢の大切さ」です。試すのではなく、応援しながら見守ることが、子どもとの信頼関係を深める鍵だと気付かされました。
応援する親の姿勢
子どもが新しいことを覚えた時、その努力を認め、喜びを共有することが最も重要です。特に、「できるようになったこと」だけでなく、「そこに至るまでの過程」に注目することが大切です。
「頑張ったね」「よくやったね」という一言が、子どもにとって何よりの応援になります。親子でその瞬間を分かち合うことで、成長の過程がより意味のあるものになります。
結果ではなく、「努力した」という事実に焦点を当てる姿勢が、子どもに自信を与えるのです。